木と建築への旅〜高橋正勝のブログ

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zoom RSS サン・ジョヴァンニ大聖堂〜マルタ共和国の旅

<<   作成日時 : 2017/04/22 23:55   >>

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1573年から1578年と短期間で完成したマルタ共和国の首都ヴァレッタにある大聖堂である。

二つの鐘楼に挟まれた中央のバルコニーを黄褐色のマルタストーンと呼ばれる特産のグロビゲリナ石灰で覆われた質素な外観の建物は聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)の守護神聖人ヨハネに捧げる為に、騎士団達の富と力を結集させて建立された大聖堂である。

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バルコニー下の両開き扉から聖堂内に入る事は出来ない為、左手に廻り裁判所前の広場にあるエントランスで入場券を購入し内部へ入る。質素な外観からは想像すらできない程の豪華な内部空間である。バルコニー下の両開き扉を開くと見える大聖堂祭壇方向である。

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教会建築で考えられる長期にわたる工期とは異なり、5年程の短い工期で完成させた密度の濃い大聖堂である。ヴォールト天井で覆われ祭壇を中心とした礼拝堂の両側には騎士団を構成した出身地の言語に合わせた8箇所の礼拝堂に各々の守護聖人が献堂されている。

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祭壇方向から見返すと、教会広場側の両開き扉の上にバルコニーへと続く開口部が見える。祭壇へ続く幅15m、長さ57mの大聖堂の身廊は最高の高さ19mのヴォールト天井で覆われ、両サイドの円窓から仄かな光が降り注ぎ、聖堂内部に厳かな雰囲気を醸し出している。

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大聖堂の天井画はナポリから招かれたマッティア・プレーティの手により、壮大な洗礼者ヨハネ伝が描かれている。石灰岩で造られた柱の表面はバロック様式の装飾として紋章や天使の繊細な彫刻が施され、身廊の柱間には言語別に8つの礼拝堂が側廊に並べられている。

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身廊から側廊を通して8つの礼拝堂のひとつ「Chapel of Aragon」を見る。「アラゴン」とはスペイン北東部のフランス国境地方の王国である。装飾された柱、ヴォールト天井の天井画だけでは無く、床にも大理石で文様が描かれた重要な騎士達の墓碑が敷き詰められている。

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側廊にも手を抜く事無く、柱・壁は大理石の中に金銀で彫刻された装飾物で覆われ、更に壁画、天井画が内部空間を創り出している。他の7つの礼拝堂も其々の騎士達の出身地に合わせた絵画や装飾で特色を見せながらも全体の調和を図り、大聖堂に彩りを与えている。

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大聖堂の平面図を見るとChapelが身廊の両側の側廊に平行し、8つの礼拝堂が並んでいるのが分かる。3つの礼拝堂@「ドイツ」、H「フランス」、I「イタリア」は現在の国名と同じであるが、B「アラゴン」他の4つの礼拝堂は趨勢を誇ったヨーロッパの王国、地方地域圏等である。

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分かりやすい名称からCはフランス中央山地の地方「オーベルニュ」、Eはフランス南東部の地方「プロバンス」である。Aはレコンキスタ(718年〜1492年)で翻弄されたイベリア半島のカスティーリャ・レオン・ポルトガルの複雑な関係の三王国である。後にレオン王国からポルトガル王国は独立し、レオン王国はカスティーリャ王国に統合され消滅してしまう。Dは英国国教会・カトリックの「聖餐のパン・聖体」を意味する事からイングランドと考えられる。これらの複雑な背景を持つ8つの礼拝堂を内包する大聖堂の中に旅の最大の目的である「17世紀最高の絵画」と評されてきた作品が「Oratory」に展示されている、、、、、。

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