メスキータ/内部編~スペインの旅

前回に続き、今回は宗教が共存する建築・メスキータの内部を見てみよう。

メスキータと言えばこの「円柱の森」を構成する特徴あるアーチの装飾で、この建築を紹介する書籍等では必ず掲載される写真である。大理石と楔型赤レンガを交互に組み合わせた現存するアーチ群が850本も連なる光景は壮観である。

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一般的なモスクの内部は明るいが、キリスト教徒の征服によって五箇所の入口意外は全て塞がれてしまったのである。ここは848年に拡張された部分で、カルロス五世によりロマネスク建築的な特徴を持つカテドラルに改造されいる。

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モスクの礼拝堂内・正面壁に設けられ、メッカ方向を示す窪み状の設備であるミフラーブ(mihrab本来スペイン語では「h」は発音しないが)前のクーポラの天井、そして、クーポラ内に設けられた採光窓からは堂内に光が導かれていた。

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尖頭アーチはないが、ゴシック建築の3要素の1つであるリブ・ヴォールトを天井のアーチ交差部分で採用している。改造を重ねていく中で、閉ざされた空間から天を仰ぎ光と色彩のなす堂内で祈りを捧げる場を必然的に創り出している。

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地方都市の巡礼路に沿って発展してきたロマネスク建築から人口密度の高い都市における礼拝と布教の場として誕生したゴシック建築へと変遷する過程は、コルドバの都市として発展した時代の流れを追随しているようでもある。

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壁面に設けられたステンド・グラスも本来であれば壁面全体に設けたいところであるが、既存建築に増築・改造を繰り返したことで、かなりの制約を受け、イスラム教とキリスト教が共存する特異な教会として現在に至っているのだろう。

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イスラム建築やロマネスク建築等で積み重ねられた建築技術を踏まえた工匠たちが、ゴシック建築の特徴である「高い天井」「上昇感のある空間構成」「ステンド・グラスの壁面開口」から創られる神秘的な光の演出に力を貸している。

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ステンド・グラスとは異なる自然な光が厚みのある壁面の装飾された格子から堂内に導かれている。建築の時代的な流れの特徴を増築や改造を繰り返す度に変貌する教会は、時代の変遷を上手くまとめた挙げた工匠たちの技術力に支えられていた。建設がスタートした785年からコルドバの発展と共に歩んだ3回に亘る増築・改造により時代の変遷を経てメスキータは存在している。1234年、キリスト教徒がコルドバ奪回に成功したが、イスラム文化を捨て去ることが出来なかった。コルドバの街中を歩くと、この街が辿って来た複雑に絡み合った共存する歴史の足跡を肌で感じることが出来る。

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