イチョウの断面~木の話18

高等植物である維管束植物は「シダ植物」、「裸子植物」、「被子植物」の三つに分類出来る。

樹木の分類としては「裸子植物」の針葉樹類と「被子植物」の広葉樹類の二つが一般的に知られているが、「黄葉」と「銀杏」で親しまれる「イチョウ」はイチョウ類イチョウ科の「裸子植物」で便宜的に、針葉樹材に含めて扱われている。

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三断面を見ると今までの針葉樹材とは異なり、材を構成する細胞の特徴的な配列が分かる。スギなどの針葉樹材のほぼ同径の仮道管が並ぶ配列とは異なり、「イチョウ」は仮道管の大きさが不揃いであり放射方向の配列も乱れている。

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放射断面を見ると、1列と2列の有縁壁孔が並ぶ仮道管内こうの壁孔の配列と放射柔細胞の肉厚が薄い放射組織との交差が観察出来る。有縁壁孔の孔口を注意深く見ると円形に近い外孔口であるが、レンズ状の内孔口も観察出来る。

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樹脂細胞とも呼ばれる軸方向柔細胞は紡錘形を示す柔細胞ストランドとなっているが、中には写真の様な異常に大きい異形細胞を見る事が出来る。異形細胞はシュウ酸カルシウムの結晶を含んでおり、結晶の形状は花の様な集晶である。

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横断面からも仮道管配列の特異性が良く分かる。晩材と早材の区割りが見分け易い一般的な針葉樹の特徴とは異なり、年輪界は仮道管が扁平となり晩材となるが、その幅は異常に狭い。材料としては、加工性は良いが耐朽性は小さい。碁盤や将棋盤、将棋の駒、器具、家具、彫刻材などに用いられている。
各都道府県はシンボルとして様々な草花や樹木を指定しているが、今回紹介した東京都のシンボルマークでもある「イチョウ」の起源は化石からおよそ4億8千万年前から3億6千万年前の古生代と言われている。
                             
                             写真:「木材の構造」佐伯浩著より

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