ル・コルビュジエ 絵画から建築へ~国立西洋美術館開館60周年記念

2016年の「カラヴァッジョ展」以来三年ぶりの国立西洋美術館である。

1959年(昭和34年)に完成し開館した今年還暦を迎えた本館の「国立西洋美術館」は1979年(昭和54年)に増築された新館、1998年(平成10年)には前庭地下部分に企画・特別展専用の展示室と西側に研究・管理部門の棟が増築されて現在の姿になっている。

画像

2016年にユネスコ世界文化遺産に登録されたル・コルビュジエ作品の一つである国立西洋美術館開館60周年記念として「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代」が開催(2019.02.19~05.19)されている。

画像

美術館の中心に位置する19世紀ホールには柱が十字の梁を支え、北向きに開けられた三角形のトップライトから柔らかな自然光が差し込んでいる。壁にはコルビュジエの数々の作品がプロジェクターから映し出されていた。

画像

本来使われない常設展示室の使用は絵画から建築へのテーマに沿った場の共存であり、ル・コルビュジエへの敬意の表れでもある。入口正面には1914年に考案された建築の原点となる「メゾン・ドミノ」が置かれている。

画像

19世紀ホールと吹抜け空間が中心となりスロープを上昇し回廊する展示室へと連続してゆく。吹抜け空間に向かって、2階展示室から突き出たバルコニーや刳り貫かれ開口部が中3階と絡まり複雑な空間を創り出している。

画像

2階展示室へ向かう上昇するスロープである。コルビュジエが建築作品に多用したスロープは、上昇する毎に見え方が変化するトップライトや見え隠れする展示作品等を来館者が楽しみながら空間を移動する装置となっている。
 
画像

スロープを上昇し2段目の踊り場から吹抜け空間を見返す。2階展示室に刳り貫かれた開口部から中3階の照明ギャラリーを通して、屋上トップライトからの自然光と照明器具により取り込まれた光の壁を目にする事が出来る。

画像

スロープを上昇し2階展示室へ辿り着くと吹抜け空間を通して展示されている作品を垣間見る事が出来る。2箇所のバルコニーから19世紀ホールを見下ろしたり見通したり、視線の先に複雑な空間構成を体感する事もできる。

「ピュリスム(純粋主義)」とは故郷スイスを離れた若きシャルル=エドゥアール・ジャンヌレと画家アメデ・オザンファンが1918年末に運動を展開し、ポストキュビスムを訴え、パリで絵画展を開催した事が始まりである。

画像

運動の理念を訴える為1920年秋から創刊された雑誌「エスプリ・ヌーヴォー(新精神)」はオザンファンと協働が解消される1925年までに28冊刊行している。「ル・コルビュジエ」は建築論連載時のペンネームである。

画像

新館から中庭を通して本館を方向を見る。中央の巨木と成長したケヤキ・イチョウ・クスノキ等の深い緑の中庭は外壁の違いを見せる本館と増築された新館を回廊として連続させる事で静謐な場所が創り出されている。

画像

展覧会公式図録は故郷スイスを離れ、芸術の都パリに住み絵画制作に取り組みながら建築へと進む「シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ」から「ル・コルビュジエ」へ変わる活動を1918年から約10年間の変遷する時系列毎に振り返られている。1920年代のパリで当時の先端をゆく芸術家たちとの交流から刺激と大きな糧を得て近代建築の巨匠「ル・コルビュジエ」へ変わりゆく姿を建築模型や映像、出版物等とピカソ、ブラック、レジェ等の美術作品等を交えながら世界遺産の建築の中で体感できる貴重な展覧会である。

人気ブログランキング

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 13

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック