ゴシック建築・ミラノ大聖堂から~イタリアの旅

ミラノ大聖堂はイタリアで見ることが出来る数少ないゴシック建築である。

北フランスで開花し、イギリス・ドイツ等の北部に波及したゴシック様式は、建築の伝統が先行し優れた建築に溢れていたイタリアでは普及に温度差があったのではないだろうか。それ故、このゴシック様式に基づいた建築は僅かな数しか見ることが出来ない。イタリア・ゴシック建築の代表例としてはイタリア的な特色を見せるアッシジのサン・フランチェスコ聖堂やシエナのシエナ大聖堂を上げることが出来る。

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このミラノ大聖堂は1386年に時の権力者ジャン・ガレアッツァ・ヴィスコンティの命により工事が始められたイタリア・ゴシック建築の最高傑作と言われる建築物である。起工より完成まで500年以上を要して、19世紀半ばに完成している。

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外壁は赤みを帯びた白大理石で覆われている。ナポレオンが推奨したと言われるシンメトリーなファサードの中心にある木製扉(銅製ではない?)には宗教画をモチーフにした?彫り物が扉いっぱいに施され緑色に色付けされていた。

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幅93m・奥行き158m・最高高さ108.5m(最高の小塔高さ)の巨大な聖堂の屋上にはエレベーターか階段で登ることが出来る。薄暗く、幻想的で荘厳に満ち溢れた聖堂内部からは創造することが出来ない屋上空間が存在している。

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ゴシック建築の特徴である「尖頭アーチ」と「飛梁(フライング・バットレス)」を確認することが出来る。大理石で覆い尽くされた切妻屋根には、天空に向かって135本の尖塔が聳え立ち、2245体の彫刻が飾られている。

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最高の高さ108.5mの尖塔の先端には黄金色のマリア像が立っている。屋上を訪れる見学者と比較すると聖堂の巨大さが理解することが出来るし、完成まで500年以上を考えればサグラダ・ファミリアも納得できるのではないだろうか。

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イタリア・ゴシック建築最大の大聖堂であり、教会建築ではローマのサン・ピエトロ大聖堂に次ぐ大規模な建築である。屋根に葺かれている白大理石の雨仕舞いに対する細やかな細工は、現在にも通じる施工方法として見て取れる。

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聳え立つ尖頭頂部には彫刻像が飾られており、屋上からは真直に見ることが出来る。まるで、個々の彫刻された装飾品を1つずつ丁寧に積上げて大聖堂は出来ているようであり、時間と工費の掛かる建築であることは間違いない。

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飾られている彫刻像はそれぞれが外向きにミラノ市内を見詰めるように尖頭に載せられている。恐らく完成間際の19世紀半ばに飾られていると想像すれば、150年を超える時代の流れをどんな思いで、見続けているのだろうか。

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ゴシック建築が生まれる過程で大きな影響を与えた事例として、サン・ドゥニ修道院付属聖堂内陣(1140年~1144年頃)の改修工事だったと言われている。「神は光なり」と述べられている聖書の言葉を教会内部の建築空間に如何に取り入れるかが、ロマネスク建築まで難問とされていた。この難問を解消することが出来たのは、ゴシック建築の要素の1つである飛梁(フライング・バットレス)を用いることだったのである。飛梁により大きな開口部が取れ、その開口部にステンド・グラスを嵌め込む事により、教会内部に独自の光の演出を可能にしたのである。しかし、このゴシック建築が普及した地域は限定的で北フランスを中心に、1140年頃からおよそ100年の間に、イタリア・ドイツ・イギリス等の北部で主に教会建築に建設されている。多少の温度差もあり、ロマネスク建築の工事途中からゴシック建築へ移行したり、折衷案として建造された聖堂も見ることが出来、時代の流れの中で建築も変化し存続している。そう考えると、この「ミラノ大聖堂」は時代に流されること無く、ゴシック建築として500年を費やして完成している稀な建築なのである。

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