ブルジュ・アル・アラブ~ドバイの旅
ペルシャ湾に面し、砂浜から280m程離れた人工島に建つ「アラブの塔」と言われる「ブルジュ・アル・アラブ」は最高級ホテルである。
人工島の埋め立て工事からホテル建設まで5年を経て、1999年12月にオープンしたホテルは五つ星を超える七つ星と高い評価を受けている。外観イメージから強烈な印象を受ける建物であり、高さ約321m、客室数202室が全てメゾネットタイプの稀なホテルである。
特徴的なデザインは古くからアラビア海やインド洋で見られた伝統的な縦帆のラテンセイル(大三角帆)を掲げる「ダウ船」からイメージを得て、アラブの歴史要素を内部に取り込み近未来的なホテルとして完成している。ホテルは本土と専用の橋で繋がれている。
ホテルの配置と弧を描く形状は周辺の環境に配慮されており、建物の影がリゾート海岸へ及ばない様に計画されている。全客室メゾネットタイプの床面積は179㎡(54坪程)からで、1階がリビング・書斎等、2階にベットルーム・レストルーム等が基本となっている。
ジュメイラビーチに面してホテル専用プールがある。ベストシーズンは11月~2月であるが、サマーレートとなる夏場は外気温50度を超える日々が多く、日中は外で過ごす事は出来ないが、プールの木陰やホテル内のプールを利用し別世界の過ごし方も楽しみである。
巨大な吹抜のあるアトリウム空間を通してエントランスフロアーからの重なりが見える。噴水が中心となり左右二本のエスカレーター、金で覆われた黄金の列柱、内装から家具調度品までアラブ様式で造られたロビーにはカフェレストラン「ザーン・エダール」がある。
エントランスロビーからエスカレーターに乗りアッパーロビーに上がると、正面に幾何学模様の水盤で出来た噴水が見えてくる。複雑にプログラミングされて創られた噴水は、流れる音楽の奏でる音に合わせて吹き出した水が水面を叩いて来訪者を楽しませてくれる。
世界最高の高さを誇る巨大アトリウムの吹抜空間が続き、白と緑の波を打つ壁面に覆われた18階のロビーは地上150mの位置にある。この階には2フロアーに分けられた最高級のスパがあり、スパを利用する事無く宿泊客であれば上空のプールは利用が可能である。
イスラム教徒の為にUAEでは男女に分けられプールが用意されており、ヨルダンの遺跡をイメージに造られたと言われるプールの窓辺からペルシャ湾やドバイの街が一望できる。150m上空の屋内プールからの景色はマリーナベイ・サンズとはまた違った眺めである。
上方の円形部分がヘリパット(ヘリポート・ゴルフ練習場・テニスコート等)、横に飛び出した筒部分が最上階となり、高級レストラン「アル・ムンタハ」がある。ヘリパットでは2005年にアンドレ・アガシとロジャー・フェデラーがテニスをした事でも知られている場所である。
最上階(27階)オープン準備の「スカイ・ビュー・バー」は地上200mにある。アトリウム壁面と共通する造りの白・青・緑の天井はアラビア語で「究極」「頂上」を意味する高級レストラン「アル・ムンタハ」とも連続し、壁一面のガラス張りから見える景色は必見の価値がある。
「アル・ムンタハ」の料理はモダンフレンチ-アラカルトのビュッフェ形式(金曜日のみ)、生牡蠣、ロブスター、キャビア、フォアグラ、チーズ、野菜、デザート他等と豪華である。200m上空に突き出て浮かぶ事を忘れる程の食事と眼下に広がる景色を満喫できる場である。
眼下に広がるペルシャ湾では、右下「ジュメイラビーチ・ホテル」の前に円弧の形をしたヨットハーバーがあり船舶が停泊していたが、現在は拡幅改修工事が進められている様である?後方でも円形に埋め立てが進み、造成されている人工島に今後何が出来るのだろうか?
潜水艦をイメージしたエスカレーターで降りる海底レストラン「アル・マハラ」(シーフード)のレストランメニューである。ドバイ通貨AED(ディルハム)のレートは1AED≒30円であるからメニュー表記の金額を30倍すればアラカルト料理やコース料理等の料金が理解できる。
サメや海亀等が泳ぐ水族館の中で食事をする感覚である。レストランでは年代物のワインを進められるが、雰囲気に見惚れていると平気で2~300万もするワインの栓を開けて来るので、ノーと言えず口にしたら最後、チェックアウト時に慌てない為にも注意が必要である。
グランドフロアーにあるテラスに面したオーシャンフロントレストラン「バブ・アル・ヤム」はアジアン料理と地中海料理が味わえるカジュアルなレストランである。海に面して広く高く明るく開放された店内や屋外テラスからペルシャ湾に浮かぶ風景を見ながら食事が出来る。
無垢ウォールナット?の扉を開き客室に入ると広さに驚かされる。27階ではあるが全室スイートのメゾネットタイプであるから通常は54階建てのホテルである。実際のフロアー数は56階であり、ホテル単独では「ローズタワー」が出来るまで世界最高の高さを誇っていた。
チェックイン・チェックアウトも客室で可能である。デラックススイート・2ベットルームの部屋(335㎡)は1階にリビング2、ダイニング1、バー、2階にベットルーム2、バスルーム2、クローゼット等がある。100坪に相当する住宅を考えれば桁外れなホテル客室空間である。
室内の天井は高く家具や調度品にもアラブ様式に「金」を加味した装飾である。外部に面するガラスは全てがマジックミラーで覆われており、内部の様子が見える事がないので、安心出来る。二つのリビングとダイニングはパーティを想定し大きな空間が確保されている。
リビングから白い円柱と角柱、床の青と赤の絨毯を仕切りとして連続するダイニングがある。ミニバーではなくバーカウンターがあり、バトラーに注文すれば飲み物等も直ぐに用意してくれる。ここでも「金」が装飾品に使われており、見慣れてくる事に怖さを感じてしまう。
エントランス脇にある大理石のアール階段は中央部分を金色金物で押え敷き込まれた絨毯と、金色のアール・ヌーヴォー風の有機的曲線の手すりで造られている。ホテルの品格と質の高さを維持すべく、室内全体にも質を落とす事無く行き届いた空間が確保されている。
ベットルームには金で仕上られた分厚い額縁で縁取りされた巨大な鏡がベッドヘッドに置かれ、1/3程の大きさの同じ仕様の鏡が両サイドに設置されている。キッズ用のベット(大人でも可)もあり、この部屋だけでも通常のホテルのデラックスルームに匹敵する広さである。
ソファもセットされたベットルーム鏡の後方にはバスルームがあり、アメニティ類はフルボトルも含めて全てエルメスで統一されている。今や「ブルジュ・アル・アラブ」はパリの「エッフェル塔」、シドニーの「オペラハウス」と並ぶ存在となりドバイのシンボル的建築である。
設計は当時アトキンス社の建築部門のトップだったトム・ライト(Tom Wright)である。トム・ライトは1957年イギリスのロンドン南部に位置するクロイドン区シースレイに生まれ、ロイヤル・ラッセル・スクールで学び、キングストン工科大学建築学科を卒業し、1983年に建築家の資格を取得している。設計事務所を経て1991年にアトキンス社へ移り、ジュメイラ・ビーチ・リゾートの主任デザイナーになり、1993年から1999年にかけて「ブルジュ・アル・アラブ」の設計から竣工まで担当する。その後、イギリス・EU圏・中東・北米・東南アジア等の設計に携わり、2013年二人のデザイナーと共にアトキンス社から独立し、三人のイニシャルから「WKK」を設立している。建築・都市計画やテーマパーク、豪華客船等幅広いデザイン分野で国を越えて企画・設計・製作等に携わり、現在に至っている。
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人工島の埋め立て工事からホテル建設まで5年を経て、1999年12月にオープンしたホテルは五つ星を超える七つ星と高い評価を受けている。外観イメージから強烈な印象を受ける建物であり、高さ約321m、客室数202室が全てメゾネットタイプの稀なホテルである。
特徴的なデザインは古くからアラビア海やインド洋で見られた伝統的な縦帆のラテンセイル(大三角帆)を掲げる「ダウ船」からイメージを得て、アラブの歴史要素を内部に取り込み近未来的なホテルとして完成している。ホテルは本土と専用の橋で繋がれている。
ホテルの配置と弧を描く形状は周辺の環境に配慮されており、建物の影がリゾート海岸へ及ばない様に計画されている。全客室メゾネットタイプの床面積は179㎡(54坪程)からで、1階がリビング・書斎等、2階にベットルーム・レストルーム等が基本となっている。
ジュメイラビーチに面してホテル専用プールがある。ベストシーズンは11月~2月であるが、サマーレートとなる夏場は外気温50度を超える日々が多く、日中は外で過ごす事は出来ないが、プールの木陰やホテル内のプールを利用し別世界の過ごし方も楽しみである。
巨大な吹抜のあるアトリウム空間を通してエントランスフロアーからの重なりが見える。噴水が中心となり左右二本のエスカレーター、金で覆われた黄金の列柱、内装から家具調度品までアラブ様式で造られたロビーにはカフェレストラン「ザーン・エダール」がある。
エントランスロビーからエスカレーターに乗りアッパーロビーに上がると、正面に幾何学模様の水盤で出来た噴水が見えてくる。複雑にプログラミングされて創られた噴水は、流れる音楽の奏でる音に合わせて吹き出した水が水面を叩いて来訪者を楽しませてくれる。
世界最高の高さを誇る巨大アトリウムの吹抜空間が続き、白と緑の波を打つ壁面に覆われた18階のロビーは地上150mの位置にある。この階には2フロアーに分けられた最高級のスパがあり、スパを利用する事無く宿泊客であれば上空のプールは利用が可能である。
イスラム教徒の為にUAEでは男女に分けられプールが用意されており、ヨルダンの遺跡をイメージに造られたと言われるプールの窓辺からペルシャ湾やドバイの街が一望できる。150m上空の屋内プールからの景色はマリーナベイ・サンズとはまた違った眺めである。
上方の円形部分がヘリパット(ヘリポート・ゴルフ練習場・テニスコート等)、横に飛び出した筒部分が最上階となり、高級レストラン「アル・ムンタハ」がある。ヘリパットでは2005年にアンドレ・アガシとロジャー・フェデラーがテニスをした事でも知られている場所である。
最上階(27階)オープン準備の「スカイ・ビュー・バー」は地上200mにある。アトリウム壁面と共通する造りの白・青・緑の天井はアラビア語で「究極」「頂上」を意味する高級レストラン「アル・ムンタハ」とも連続し、壁一面のガラス張りから見える景色は必見の価値がある。
「アル・ムンタハ」の料理はモダンフレンチ-アラカルトのビュッフェ形式(金曜日のみ)、生牡蠣、ロブスター、キャビア、フォアグラ、チーズ、野菜、デザート他等と豪華である。200m上空に突き出て浮かぶ事を忘れる程の食事と眼下に広がる景色を満喫できる場である。
眼下に広がるペルシャ湾では、右下「ジュメイラビーチ・ホテル」の前に円弧の形をしたヨットハーバーがあり船舶が停泊していたが、現在は拡幅改修工事が進められている様である?後方でも円形に埋め立てが進み、造成されている人工島に今後何が出来るのだろうか?
潜水艦をイメージしたエスカレーターで降りる海底レストラン「アル・マハラ」(シーフード)のレストランメニューである。ドバイ通貨AED(ディルハム)のレートは1AED≒30円であるからメニュー表記の金額を30倍すればアラカルト料理やコース料理等の料金が理解できる。
サメや海亀等が泳ぐ水族館の中で食事をする感覚である。レストランでは年代物のワインを進められるが、雰囲気に見惚れていると平気で2~300万もするワインの栓を開けて来るので、ノーと言えず口にしたら最後、チェックアウト時に慌てない為にも注意が必要である。
グランドフロアーにあるテラスに面したオーシャンフロントレストラン「バブ・アル・ヤム」はアジアン料理と地中海料理が味わえるカジュアルなレストランである。海に面して広く高く明るく開放された店内や屋外テラスからペルシャ湾に浮かぶ風景を見ながら食事が出来る。
無垢ウォールナット?の扉を開き客室に入ると広さに驚かされる。27階ではあるが全室スイートのメゾネットタイプであるから通常は54階建てのホテルである。実際のフロアー数は56階であり、ホテル単独では「ローズタワー」が出来るまで世界最高の高さを誇っていた。
チェックイン・チェックアウトも客室で可能である。デラックススイート・2ベットルームの部屋(335㎡)は1階にリビング2、ダイニング1、バー、2階にベットルーム2、バスルーム2、クローゼット等がある。100坪に相当する住宅を考えれば桁外れなホテル客室空間である。
室内の天井は高く家具や調度品にもアラブ様式に「金」を加味した装飾である。外部に面するガラスは全てがマジックミラーで覆われており、内部の様子が見える事がないので、安心出来る。二つのリビングとダイニングはパーティを想定し大きな空間が確保されている。
リビングから白い円柱と角柱、床の青と赤の絨毯を仕切りとして連続するダイニングがある。ミニバーではなくバーカウンターがあり、バトラーに注文すれば飲み物等も直ぐに用意してくれる。ここでも「金」が装飾品に使われており、見慣れてくる事に怖さを感じてしまう。
エントランス脇にある大理石のアール階段は中央部分を金色金物で押え敷き込まれた絨毯と、金色のアール・ヌーヴォー風の有機的曲線の手すりで造られている。ホテルの品格と質の高さを維持すべく、室内全体にも質を落とす事無く行き届いた空間が確保されている。
ベットルームには金で仕上られた分厚い額縁で縁取りされた巨大な鏡がベッドヘッドに置かれ、1/3程の大きさの同じ仕様の鏡が両サイドに設置されている。キッズ用のベット(大人でも可)もあり、この部屋だけでも通常のホテルのデラックスルームに匹敵する広さである。
ソファもセットされたベットルーム鏡の後方にはバスルームがあり、アメニティ類はフルボトルも含めて全てエルメスで統一されている。今や「ブルジュ・アル・アラブ」はパリの「エッフェル塔」、シドニーの「オペラハウス」と並ぶ存在となりドバイのシンボル的建築である。
設計は当時アトキンス社の建築部門のトップだったトム・ライト(Tom Wright)である。トム・ライトは1957年イギリスのロンドン南部に位置するクロイドン区シースレイに生まれ、ロイヤル・ラッセル・スクールで学び、キングストン工科大学建築学科を卒業し、1983年に建築家の資格を取得している。設計事務所を経て1991年にアトキンス社へ移り、ジュメイラ・ビーチ・リゾートの主任デザイナーになり、1993年から1999年にかけて「ブルジュ・アル・アラブ」の設計から竣工まで担当する。その後、イギリス・EU圏・中東・北米・東南アジア等の設計に携わり、2013年二人のデザイナーと共にアトキンス社から独立し、三人のイニシャルから「WKK」を設立している。建築・都市計画やテーマパーク、豪華客船等幅広いデザイン分野で国を越えて企画・設計・製作等に携わり、現在に至っている。
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